フロアコーティングの硬度とは?硬度表記のチェック方法について
新築時などに、コーティングを綺麗で長持ちさせることのできるフロアコーティングを施工する方も増えています。フロアコーティングといってもその種類はさまざまで、判断基準のひとつに「硬度」があります。ここではフロアコーティングを選ぶ際に役立つ、硬度についての基礎知識をご紹介します。
フロアコーティングの硬度とは
硬度とは、その名の通り硬さのレベルを表しています。フロアコーティングでは、硬度が高い、つまり固いほど傷への耐久性も高いということになります。
どれくらい傷に強いかは、硬度表記がひとつの目安になります。はじめてフロアコーティングを施工する際、どうやって種類を選べばいいか分からないものです。硬度について基本的な知識があると、コーティング材選びもスムーズになります。
硬度表記を確認しよう
フロアコーティングの硬度表記はJIS(日本工業規格)の塗装塗膜の硬さと傷つきにくさを数字で表す規格が基準とされています。JIDでは「鉛筆引っかき抵抗試験(鉛筆法)」という試験によって硬さを調べます。
具体的な試験方法は、硬度の違う鉛筆を使い、塗膜に対して45度を保って線を引き、傷がつくかどうかを調べるというものです。そのため、フロアコーティングの硬度は、鉛筆の硬さを示す「10B~10H」で表記されます。
鉛筆は10Hになるほど硬くなります。フロアコーティングも10Hに近い数字であるほど、硬くて傷つきにくいということになります。
とはいえ、重いものを引きずったりすれば硬度の高いコーティングをしていても傷つきます。後述しますが硬度はフローリングの材質や施工にも影響をうけるので、硬度はあくまで参考程度に考えましょう。
コーティング剤の硬度は種類別に異なる
フロアコーティングは種類によって硬度が違います。具体的には、水性アクリルコーティングの硬度はHB~2H、油性ウレタンコーティングの硬度は3H~6H、油性シリコンコーティングの硬度は3H~6H、油性UVコーティングの硬度は5H~9H、油性ガラスコーティングの硬度は6H~9H程度です。
硬度がもっとも高いのはガラスコーティングになります。ちなみに、自分で塗る市販のワックスの硬度は2B前後です。ただ、これはあくまでも目安で、フロアコーティングン硬度は施工業者の技術によっても変わってきます。
また、硬度が高いほどいいというわけでもありません。UVコーティングは特殊な機械をつかって塗装をするため、施工費用も高額になりるうえ、光沢が強いのでピカピカした床が好みでないという方には適していません。
また、施工に技術が必要なので業者によっては施工不良がおこりやすくなります。また、床材との相性も硬度に影響します。硬度6H~9Hのガラスコーティングは大理石やタイルなどの石材のコーティングに向いています。
床材が柔らかい木材フローリングの場合、そのうえに硬度の高い溶剤を塗っても密着度が低くなります。また、木材は湿度や温度の変化によって膨張したり伸縮したりします。
コーティング材の硬度が高いほど柔軟性も少ないため、木材の伸縮も割れやすさの原因となります。「硬度の高いコーティング材を使えば大丈夫」とは考えず、フローリング木材との相性も考えてコーティング材を提案してくれる業者を選ぶとよいでしょう。
ひび割れや施工不良と思われる不具合が発生した時に、きちんと補修対応してくれるかどうかもチェックポイントです。業者の口コミや施工実績なども確認しておくとよいでしょう。
フロアコーティングを選ぶ際は、硬度だけでなくフローリング材との相性、費用、業者の評判、保障といった要素も考慮して決めると後悔のないフローリング選びができます。
気になったらサンプル材を確認してみるのもあり!
フロアコーティングの仕上がりや光沢具合や傷つきにくさを実際に見て確認したいという方はサンプル材を確認してみることをおすすめします。サンプル材に10円玉などを滑らせて施工面と未施工面の傷つき具合を比較することもできます。
霧吹きで水をかけて撥水性を確認したり、コーヒーなどをたらして拭き取りやすさを体験したりすることも可能です。実際に触ってみてグリップ性能を確認するのもよいでしょう。
油性ペンで何か書いてアルコールなどで拭き取ることで耐薬品性を確認することもできます。サンプル材を実際に見て、触ってみることで、より確実なフロアコーティング選びができます。
どのコーティング材の仕上がりが好みか家族で相談するのもよいでしょう。フロアコーティング業者にはサンプル請求に対応している業者があるので、気になる方は探してみてください。
まとめ
フロアコーティングは床を綺麗に長持ちさせることができるうえ、光沢のあるものを選んで高級感を演出することもできます。コーティングの種類を選ぶ際には、硬度はひとつの基準となります。
フロアコーティングの施工はそれなりに費用がかかるので、施工業者やコーティング材は慎重に選びましょう。自宅の床材と相性がよいコーティング材を選ぶことが失敗しないポイントです。こちらで紹介した内容も参考に、自宅にぴったりのフロアコーティングを施工してください。